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『三軒茶屋星座館1』〜ホッとする物語〜

表紙の美しさに惹かれて、『三軒茶屋星座館』という本を読みました。

 

徹夜で読むぐらい物語の世界観に惹きこまれましたので、紹介します。

 

1.ストーリー

 

主人公の和真は三軒茶屋で星座館を営んでいます。

 

そこに、10年振りに弟の創馬が娘の月子を連れて居候をしに来る所からストーリーが始まります。

 

様々な事情を抱えた人たちが星座館を訪れ、和真にそのことを話すと、おせっかいな和真は関連性のある星座の物語を話し、それによって問題が解決されていくという、そんな話です。

 

2.星座の話が面白い!!

 

それぞれの星座にはきちんとストーリーがあります。

 

ところが、それを話せる人はあまりいないですよね。

 

私は個人的に星座のストーリーにも興味がありましたので、丁度良かったです。

 

そして、何よりも面白いのが、主人公和真の語り口調です。

 

星座のストーリーを超絶現代語訳していると言うか、オリオンはヤンキーで自慢好きで、など、主観入りまくりな所があり、頭にスッと入ってきます。

 

あくまで小説の主人公が話しているのですが、小説の人物の頭脳は作者の頭脳ですので、作者が星座のストーリーをよく理解して自分の言葉で語っていることが伝わってきます。

 

やはり、小説を読む際、我々は借りてきた言葉ではなくその作者の言葉を読みたいので、そういう意味では申し分ないですね。

 

3.家族について

 

この作品はシリーズ物で四巻完結です。

 

一巻では、まだ明らかになっていないことがたくさんありそうです。

 

それが、家族について、です。

 

特に、主人公和真の弟の創馬についてはまだあまり明かされていない秘密があるようです。

 

今後、同じようなストーリー構成で進みつつ、こういったキャラクターの謎が明らかになっていくのでしょう。

 

テーマの一つが家族なので、心温まる話が一巻にもありますし、今後も出てくると思うと楽しみです。

 

夢中になる読書体験ができる本ですので、かなりオススメです。

 

4.三軒茶屋に縁のある人はぜひ

 

私は三軒茶屋(東京の地名です)に行ったことがないですが、住んだことがある人にとってはもしかしたら知っている店などが登場しているかもしれないです。

 

実際に作者がそう語っていますので。

 

小説の世界と実際の世界のリンクも楽しめますね。

 

 

三軒茶屋星座館 1 冬のオリオン (講談社文庫)

三軒茶屋星座館 1 冬のオリオン (講談社文庫)