漫画『応天の門』が平安時代を学ぶにはうってつけの教材としてオススメ
在原業平と菅原道真のコンビの活躍を描いた漫画『応天の門』がとても面白かったので紹介します。
1.異色のコンビ
ここらへんは脚色だと思いますが、でも同時代に平安京に存在していたのは確かです。
在原業平は色男として、菅原道真は学問の神様として有名ですよね。
在原業平の方が20歳年上になります。
基本的なストーリー構成としては、業平が厄介事を抱え込み道真が「やれやれ」という感じで知識を駆使して解決していくというストーリーです。
ストーリー自体も普通に面白いですよ。
時代考証は監修の人が付いてきちんと為されているようです。
2.時は北家藤原氏の全盛時代
時代的には866年の「応天門の変」前後を描いています。
現在六巻まで発売されていて、まだ「応天門の変」が起きる前の宮中での様々な陰謀渦巻く様子が描写されています。
高校日本史では、北家藤原氏の他氏排斥として習いますよね。
ただ、それを事実の羅列として習ってもなかなか頭に入りませんが、漫画でならスラスラと頭に入ってきますのでオススメです。
高校日本史で覚えるべき人物の中で登場するのが、在原業平や菅原道真はもちろんのこと、藤原良房、藤原基経、藤原明子(あきらけいこ)、伴善男、紀豊城、源信などです。
なので、初期の平安時代の歴史が苦手という学生は一度読んでみるとある程度イメージを掴めますよ。
3.視覚的に捉えられる
漫画の良さは絵があるので、当時の様子を視覚的に捉えられることですよね。
絵が綺麗で描き込みもきちんと為されているので、当時の都の様子や服装なども楽しめます。
また、専門用語や時代背景には章末や巻末で解説がありますので、全く予備知識のない人でも楽しむことができます。
4.まとめ
平安時代を描いた漫画というのは今までほとんどなかったような気がします。
私も正直、この時代がこんなに面白いとは思っていませんでした。
昔からシリーズで刊行されている日本の歴史漫画も良いですが、あれは網羅的に学習したい人向けです。
歴史に興味があり、純粋な娯楽として楽しみたいなら『応天の門』はかなりオススメです。
そして、これを入り口として、気になった登場人物をウィキペディア等で調べてみると「このキャラクターが後にこうなるのか」という発見があり、より楽しめること間違いなしです。