1億2700万人のうちの誰かのために

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お寺と日本史について学べる本〜『お寺で読み解く日本史の謎〜

日本史の謎を解き明かす系の本はたくさん出版されています。

 

例えば

日本史の謎を地形・気象の観点から〜『日本史の謎は地形で解ける』〜 - 1億2700万人のうちの誰かのために

 の記事もそういう本について書いています。

 

今回は、日本史とお寺の関わりから謎に迫っていくという『お寺で読み解く日本史の謎』という本を紹介します。

 

1.意外に知らないお寺の歴史

 

私たちはお寺にお参りはたびたび行きますが、そのお寺の歴史についてはあまり知らないですよね。

 

平安時代には僧兵と呼ばれる武装した僧侶が自分たちの要求を通すため都を訪れ、時の天皇や権力者に迫ったものでした。

これを強訴(ごうそ)といいます。

 

仏罰を怖れた権力者たちは、お寺の要求を飲むことも多かったようです。

 

なので、お寺と日本史というのも深く関わっているものなのです。

 

それらをまとめて紹介してくれているのがこの本です。

 

私はちょうど各地の有名なお寺の成り立ちや歴史を書いたこういう本を探していました。

 

2.どういう謎があるのか

 

例えば、「延暦寺はなぜ、清盛と信長に怖れられたか」、「なぜ高野山は信長と戦い、降伏後に秀吉の支援を得られたか」「大奥をまきこむスキャンダル!延命院事件はなぜ起きたか」など全部で20章分、様々な日本史上の謎をお寺との関わりから考察しています。

 

中身については日本史初心者でも分かるように詳しく書かれていますが、なかなか難しい所もあります。

 

私は数カ所、ザッと読んだだけでは理解できなかったので精読しました。

 

さすがに、織田信長徳川家康がどのようなことをしたのか、中学歴史レベルのことも知らなければ、あまり面白いと感じられないかもしれません。

 

こういう本は基礎知識あってのインタレスティングな面白さですので。

 

一方で、高校レベルの日本史まである程度把握できている人は、知的興奮をたくさん得られると思います。

 

今まで私が紹介してきた

世界史の流れが掴める本、『世界一おもしろい世界史の授業』 - 1億2700万人のうちの誰かのために

スタディサプリ講師、伊藤賀一先生の著書『世界一おもしろい日本史の授業』 - 1億2700万人のうちの誰かのために 

神野正史先生の著作をドドっと紹介!! オススメは? - 1億2700万人のうちの誰かのために

 と違って、サクッと読める系ではないですが、教養が深くなり各地のお寺に旅行に行きたくなる、そういう本です。

 

お寺と歴史との深い関わりに興味がある人はぜひとも読んでみることをオススメします。

 

 

「お寺」で読み解く日本史の謎 (PHP文庫)

「お寺」で読み解く日本史の謎 (PHP文庫)