茂木誠『イエスキリストと神武天皇』を読んで宗教について学んだ
私が発売を楽しみにしていた本です。
題名からもう異彩を放っていますよね。
中身はキリスト教についてだけでなく、キリスト教のもとになったユダヤ教や古代インドの哲学や仏教について、そして日本古来の宗教である神道について書かれてあります。
今回は、予備校の世界史講師である茂木誠さんが執筆された『イエスキリストと神武天皇』についての書評を書いていきます。
1.仏教について
日本の仏教は特殊です。
本来のインド仏教の思想では輪廻があり、魂はぐるぐると廻っていくから墓なんて作らないのですが、日本の仏教では墓を作ります。
仏教が日本に伝わる過程で考え方がどのように変化していったのでしょうか。
そういうことが書いてあります。
また、仏教の思想面についてかなり掘り下げられています。
般若心経を覚えている人も多いと思いますが、その意味も一つ一つ区切って述べられています。
釈迦が思い至った悟りの境地について、この本で学ぶことができますよ。
2. 古代インド哲学
同じくインドで生まれた哲学について、ヒンドゥー教の聖典を基に解説しています。
実はインド哲学の影響を受けた著名人は多く、例えば19世紀ドイツの哲学者ショーペンハウアーや、インド独立の父であるガンジーが有名です。
普段馴染みのないインド哲学ですが、この本でサクッと学ぶことができますよ。
3.日本神話について
現代は神話教育というのがなされていません。
日本神話について学校では教わらないので、子どもの時に神話を物語として読んだという人以外は知らないまま過ごしていることでしょう。
これは非常にもったいない。
神話というのは古代の日本人の精神が現れたものですから、歴史を学ぶ上でとても大切なものです。
神話には基になった歴史的事実があるのです。
この本では日本神話についても学べます。
さらに、初代天皇である神武天皇が実在したのかという議論にも踏み込んでいます。
日本神話に興味があるという人も、入門編として読んでみることをオススメします。
4.まとめ
世界の宗教について、これだけ網羅的に書いてある本は珍しいですね。
特に日本神話についても記述されているのが個人的には興味をそそりました。
興味が湧いた方はぜひ読んでみて下さい。
教科書では教えてくれない イエス・キリストと神武天皇 茂木誠が世界の五大宗教を講義する (Knock the Knowing)
- 作者: 茂木誠
- 出版社/メーカー: ヒカルランド
- 発売日: 2017/10/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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インド哲学については小説でも学べます。
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