『日本史〈伝説〉になった100人』で偉人の凄さを学ぼう
『 日本史〈伝説〉になった100人』という本を読みました。
主に高校日本史までの登場人物で優れた能力を発揮した人物についての紹介が書かれています。
今回はこの本に登場する人物の中から、私が特に印象に残った偉人を紹介しつつ書いていきます。
1.塙保己一(はなわ ほきいち)
1746年から1821年まで生きた、江戸時代の国学者(日本の伝統的な書物の研究をしている人)です。
かつて書かれた日本の様々な文献をまとめ『群書類従』という本を編纂した人です。
彼がすごいのは、盲目であったこと。
目が見えないというハンデを抱えながらも何十年とかけて本を編纂するその粘り良さと執念とも言える意志の強さに驚きました。
あのヘレンケラーも、母親から塙保己一の事を聞かされ心の支えにしていたという話です。
あまり知られていませんが、日本にかつてそんなすごい人がいたというのは知っておきたいですね。
2.後白河天皇
源平合戦の時代の人です。
食えないタヌキおやじとして有名な後白河天皇ですが、この本を読んでからちょっと「すごいな」と思うようになりました。
もともとは源義朝(頼朝の父親)や平清盛とともに保元の乱を勝ち抜いた人です。
ところが、清盛の方ばかりを可愛がり、義朝の扱いは雑でした。
不服に思った義朝が平治の乱を起こしますが、清盛がこれを鎮圧。
世は平家の天下へとなっていきました。
清盛のことも邪魔に思えるようになってきた後白河は、源氏を支援し、源義仲が京都から平氏を追い出します。
ところが、田舎者の義仲たちが品がないのを見るや、今度は義経や頼朝に義仲を討たせます。
その後、壇ノ浦の闘いで平氏が滅ぶと、義経と頼朝を仲違いさせ、義経に頼朝を討つよう指示します。
ただ、頼朝がこれに強く抗議すると、すぐに掌を返し、今度は義経を討つよう指示します。
この切り替えの速さと、自分の思い通りにことを進めようと裏で暗躍する感じ。
後白河はタヌキおやじのイメージが強いですが、ちょっとかっこよく思えてきました。
漫画だったら裏で暗躍するキャラはたいていイケメンですからね。
そういう観点でみると、義朝も清盛も義仲も義経も頼朝も、みんな後白河の掌の上で踊らされていたと言えます。
もっとも、唯一大局的な視点を持てていた政治の天才頼朝は、最後まで生き残ったわけですが。
3.こういうエピソードがたくさん
この本にはこういうエピソードがたくさん載っています。
語り口調も平易で、喩えもすごく分かりやすいので、すぐに読めてしまいます。