1億2700万人のうちの誰かのために

主に書評とユーチューバーの紹介をしていますが、その他いろいろ書いています

運慶展がすごく良かったので感想を書いておきます!!

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東京の国立博物館で運慶展を観てきました。

 

全国に散らばっている運慶の作品のほとんどが一堂に会するということで、かなりレアな展覧会になっていました。

 

今回はその運慶展を観に行った感想を書いていきます。

 

 

1.構成

 

運慶展は第1章と第2章に分かれていました。

 

第1章では運慶の父親であり師匠の康慶の作品と若き頃の運慶の作品が展示されていました。

 

第2章では壮年期の運慶の作品とその後の慶派の作品が展示されていました。

 

この構成も見事ですよね。

 

運慶の成長と慶派の変遷を感じることができる構成になっています。

 

2.教科書に載っているあの作品も

 

学校で習う運慶の作品で一番有名なのは東大寺南大門の金剛力士像でしょうか。

 

さすがにそれは持って来られないのですが、他にも教科書に載っている作品として、重源上人坐像とか、無著•世親(むちゃく•せしん)像とかが展示されていました。

 

3.迫力満点の慶派の世界

 

慶派の作品はとにかく筋骨隆々、表情豊かです。

 

目に真珠を埋め込んでいるため、眼力があります。

 

大迫力の四天王像など、見所満点でした。

 

やはり本物の良さを感じます。

 

また大抵の作品を360度各方向から観られたのも良かったです。

 

これは展覧会ならではの工夫でありメリットですよね。

 

4.印象に残った作品

 

私の印象に残った作品は二つあります。

 

一つ目は、運慶作の聖観音像です。

 

仏像には珍しくとても彩色豊かな作品です。

 

これは源頼朝の三回忌に合わせて造られたものですが、源頼朝の等身大の高さらしいのです。

 

この像を見ると「あー、頼朝ってこれぐらいの大きさだったんだー」と感じます。

 

またX線撮影をした結果、頭部に小箱が針金で結びつけられていて、その中には頼朝の頭髪と歯が納められているとか。

 

これはすごくロマンのある話ですよね。

 

普段は愛知県の瀧山寺で見られます。

 

 もう一つは、運慶の息子、湛慶の作品である毘沙門天立像とその脇に配置された吉祥天と善膩師童子(ぜんにしどうじ)の像です。

 

これは毘沙門天一家なのですが、かっこいいお父さんである毘沙門天と、そのお父さんに憧れる善膩師童子、その様子を微笑ましく見守るお母さんの吉祥天という家族愛を私は感じました。

 

すごく心温まる作品で目が奪われます。

 

しかも毘沙門天は欠損しており、片腕がないという。

 

ミロのヴィーナスと同じで、片腕がないからこそ逆に良いですよね。

 

普段は高知県雪蹊寺で見られます。

 

 5.おすすめの本

 

私はこの本で予習していきました。

 

運慶の作品がリストアップされており、きちんと一つ一つに解説が載っています。

 

残念ながら展覧会は終わってしまいましたが、運慶の作品について学びたい人にはオススメです。

 

芸術新潮 2017年 10 月号

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