『日本一やさしい天皇の講座』で天皇について深く学べる!!
憲政史家であり日本の歴史や憲法について精力的に発信している倉山満さんの『日本一やさしい天皇の講座』を読みました。
学校では習わない、ニュースやメディアも教えてくれないことばかりで、目からウロコでした。
でも日本人としては知っておきたいことがたくさん書いてあったので、この本について紹介します。
1.日本は立憲君主制
一般の認識としては、日本が立憲君主制(君主は君臨すれども統治せず)になったのは第二次世界大戦後にGHQの改革のもとでだと思われています。
ところが、明治期の日本も立憲君主制だったというのです。
これは意外でした。
大日本帝国憲法の下では、主権は天皇にあるから全て天皇が決定していたのではないかと思いますよね。
2.ウォルターバジョットの考え
ウォルターバジョットというイギリスの学者が提唱した立憲君主の権利には
警告する権利
激励する権利
相談を受ける権利
の3つがあります。
つまり、日本の天皇はこの権利を持っていた、そして明治期にはこれぐらいの権限しかなかったわけです。
鎌倉時代以降、政治は武士が行うようになり、江戸時代には禁中並公家諸法度が定められていましたが、それでもこれら3つの権利を行使した光格天皇という人もいました。
一般的には西洋の文化を取り入れて日本が近代化したとされていますが、もともとの日本にも立憲君主という考え方が根付いていたようです。
3.天皇家が続いていくために
天皇家は存続の危機に立たされています。
その中で女系天皇を認めるのか、女帝を認めるのかなどの議論があります。
女系天皇というのは母方をたどっていくと天皇にいきつくのですが、これはつまり王朝交代を意味します。
例えばイギリス王室は女系を認めているので王朝交代が起きています。
ところが、日本はずっと男系で天皇位を引き継いできたため、これが皇室の伝統となっています。
よって、容易に女系を認めろということは、今までの1000年以上続いてきた伝統の重みを放棄することなのです。
この事実を知ると、いかに日本の皇室というのが稀有な存在なのかが分かります。
そして、容易に女系天皇を認めようなんてことは言えなくなりますね。
この本では、皇室存続の危機にあたっての解決策も示されています。
4.まとめ
この本には、本来は日本人として知っておくべきであるような内容がたくさん書かれています。
しかし、誰も教えてくれません、、
自分で本から学ぶしかないのです。
平成も終わろうとしている今、日本の皇室のことを考え理解する良いきっかけになりました。