村上春樹作品を読んだ人はこの本を読むのもオススメ〜『騎士団長殺し』メッタ斬り〜
『村上春樹「騎士団長殺し」メッタ斬り!』という本が発売されました。
新聞などに書評を書いている人たちの対談本で読みやすかったです。
1.めっちゃディスるやん
ファンが村上春樹さんのことを崇め奉る本でもなく、作品の詳しい解釈や深読みを行う本でもなく、対談者が二人でひたすらディスっています。
でも、そこには愛があります。
実際に村上春樹作品は全部読んでいるようですし、昔の作品が好きだったからこそ最近の作品には言いたいことがあるという感じでした。
笑えるディスなので、読んでいて嫌な気持ちになることはないです。
むしろ、「あっ、それ思ってた」というのを代弁してくれている部分もあるでしょう。
2.『騎士団長殺し』について
『騎士団長殺し』の作中でとある失踪事件が起きるのですが、その結末が「えっ!?」という感じで私も意外に思っていました。
この本でもその部分についての記述があり、散々にこき下ろしています。
私も納得できることだったため、面白く読めました。
ハルキストでなければ共感できることが多いですね。
特に私のような「流行っているから読んでみた」というような典型的なライトな読者には大いに楽しめると思います。
作中の時系列も分かりやすくまとめてくれていますので、それを読書ガイドにすることもできます。
3.『1Q84』について
『騎士団長殺し』だけではなく、『1Q84』についての対談も為されています。
私は『1Q84』については途中までしか読んでいませんので、該当部分の記述についてはサラッと読みました。
『1Q84』を既読の方は楽しめるはずです。
4.『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』
この作品も私は未読でしたが、この対談本では散々な評価です。
だいたいの粗筋はまとまっていたのでストーリーはつかめました。
ただ、自分が読んでいない本についてあれこれ言うのは違うと思いますので私は何も言う資格はありませんが、この本を読んでからだと『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』は読もうとは思わないですね笑
既読の方はきっと共感できることがこの本にはたくさん書かれていると思います。
5.書評本の楽しさ
本を読んだ際にいろいろと感想を持つと他の人がどう思っているのかも知りたくなります。
そんな時に書評本が良いですね。
でも、ガチガチに表現や内容解釈を書かれると読んでいてけっこうしんどいということもあります。
この本は対談形式なのでサクッと読めてクスッと笑えるのでオススメです。
そして私は、過去の作品で評価の高かった『羊をめぐる冒険』を読むことにしました。
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