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世界史の流れが掴める本、『世界一おもしろい世界史の授業』

グローバル化が叫ばれて久しい現在、世界史を勉強しようと考えている人は多いでしょう。

 

でも何から入れば良いのか、教科書は無味乾燥すぎるし、受験参考書は受験に寄りすぎているし、何かサクッと読めて世界史を学べる本はないか。

 

『世界一おもしろい世界史の授業』はそういう人にピッタリの本です。

 

著者は元予備校講師の宇山卓栄さん。

 

世界史の授業のプロですから期待できる内容ですよ。

 

1.世界史のダイナミズムが感じられる

 

世界史の魅力はなんといってもスケールの大きさでしょう。

 

世界に影響を及ぼした大きな出来事がポンポンと起きます。

 

ある程度知識が付いてくると、それらの相互のつながりや因果関係など巨視的な視点で世界史を眺められるようになるのですが、細かい年代暗記や用語暗記をさせられ嫌な気持ちを抱いた人もいるのでしょう。

 

そんな人にはぜひ、この本を読んで世界史の面白さを体験してほしいです。

 

この本には細かい年代や専門用語は省かれており、通史を扱いながらも世界史のダイナミズムをきっちりと感じられる構成になっています。

 

2.因果関係に注目

 

なぜその出来事が起きたのか、教科書などには書かれていないことが多いですよね。

 

「その後、〜年に〇〇が起き、△△がそれを鎮圧、□□の制度を始めた」的な、事実のみが書かれているのですが、面白いのは絶対にその背景にある理由な訳で、そこをきっちりと書いてくれているのがこの本です。

 

なので、予備知識なしで楽しむことができますよ。

 

3.経済的な側面にも注目

 

著者の宇山さんは慶応の経済学部出身のようです。

 

また、経済と歴史を絡めた他の本も書いています。

 

学校の歴史の先生は教育学部や文学部史学科出身の人が多いですから、なかなか歴史の授業で経済的な側面がメインになることはなかったことでしょう。

 

その点、この本は経済的な側面にもかなり注目して書かれていますので、類書とは異なる視点もあり面白いですよ。

 

とにかく、世界史のダイナミズムを感じたり、楽しみたい人にはオススメですね。

 

4.日本史版との違いは?

 

スタディサプリ講師、伊藤賀一先生の著書『世界一おもしろい日本史の授業』 - 1億2700万人のうちの誰かのために

 

この記事で書いた『世界一おもしろい日本史の授業』と同じシリーズです。

 

日本史版の方は口語調の語り口と喩えが豊富でしたが、こちらは語り口は普通の文章ですね。

 

日本史、世界史の違いはあれど、同じ歴史を語る本として、著者による切り口の違いに注目してみるのも面白いですね。

 

5.おまけ

 

かつて私は旅行中に飛行機の隣の席の人にこの本を勧めたことがあります。

 

「何読んでるんですか?」

「この本です。世界史が分かりやすく学べてめっちゃ面白いですよ」

「へー、ちょっと見せて下さい、あー、良い感じですね」

 

という会話をしました。

 

その人が帰国してからこの本を買ったかどうかは分かりませんが、かなり興味を示していました。

 

 

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世界一おもしろい 世界史の授業 (中経の文庫)

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